fc2ブログ

たばこの煙のない社会を(神奈川新聞:孫の投書)

たばこの煙のない社会を
 高校生 渡辺けいな(横浜市)
高校2年生になってから、横浜市内の公共施設の屋外でアルバイトをしています。そこで働いている人たちは、私の祖父母世代が多く、私のような若い世代は少ないです。
屋外での仕事でもあり、合間に休憩を取る場所も、少しばかりの屋根と幾つかの机と椅子があるだけの、ささやかな空間です。
ところで、私は未成年でもあり、たばこの煙が大嫌いです。
前回のバイトの際のことでした。同じ所で働いている50代くらいの男性が、休憩中に私の座っていた机でたばこを吸い始めました。続いて、近くにいた男性も吸い始めました。一度だけならまだしも、私が休憩に行くたびに、その人たちは喫煙していました。
受動喫煙が大きな社会問題になっていますが、たばこの大嫌いな私にとっては、とても苦痛でした。しかし、私は働き始めたばかりで、何も言うことはできませんでした。せっかくの休憩時間もゆっくり、くつろげませんでした。
どこへ行っても、たばこの煙を吸うことのない社会にしてほしいです。
【神奈川新聞 2018年7月27日:「読者のページ」】
スポンサーサイト



毎日新聞JT提供のPR紙面中止の申し入れ

●毎日新聞7月2日のスポーツ面に「充実のひととき」という松田喬和氏(特別顧問)のエッセイが掲載されました。この紙面、実は日本たばこ産業のPRの一環として書かれたものでした。2005年2月に発効している「タバコ規制枠組み条約」(FCTC)ではテレビ・新聞・雑誌など、あらゆる媒体のタバコの広告・宣伝・スポンサーシップ禁止が謳われており、今回のエッセイはこの条約に完全に違反しています。日本禁煙学会では、さっそく丸山昌宏社長にこの新企画の中止を要請しましたが、同社OB川名英之氏からも、朝比奈会長に手紙を送って下さいました。川名氏のご承諾を得ましたので、紹介させて頂きます。(渡辺文学)

毎日新聞社会長 朝比奈 豊様

 お忙しい日々を過ごしのことと拝察いたします。一つ、お知らせしたいことが起こり、お手紙を送らせていただきました。実は、40年以上前の盟友、渡辺文学氏から7月2日の毎日新聞に「充実のひととき」という日本たばこ産業のロゴ付きのコラムが掲載されたという手紙をもらいました。
 渡辺氏は40年前に「たばこの煙は公害」という観点から嫌煙権を提唱、喫煙や受動喫煙による健康被害をなくすことを目標にして献身的に運動を続けてきた人です。渡辺氏のご尊父、渡辺三樹男氏は毎日新聞モスクワ特派員、論説委員を経験された方です。この渡辺文学氏が今、毎日新聞に日本たばこ産業のPRとも言うべきロゴ付きのコラムが掲載されたことを怒り、抗議行動を起こしています。渡辺氏の怒りは、もっともだと思います。
 私は喫煙と喫煙による健康被害をなくす運動に関係している人々が、毎日新聞に日本たばこ産業のロゴ付きのコラムに載ったことをなぜ怒っているのか、なぜこの種のPRを新聞に載せてはならないかについて、私が知っていることを、現在の毎日新聞社の幹部の中で唯一、お知り合いである朝比奈会長にお伝えし、今後は新聞にこの種の記事を載せないようお願いしたいと思います。
 日本の嫌煙権運動は渡辺氏の献身的な運動のお陰もあって、成人の喫煙率は1978年の男性74.7パーセント、女性16.2パーセントから、35年後の2012年には男性32.7パーセント、女性10.4パーセントと劇的に減りました。しかし男性の喫煙率(2011年のOECDの調査)はスウエーデンの3倍近い36.6パーセントと高く、喫煙率の低い国の順位はOECD加盟34か国中、21位という有様。その主要な原因は、たばこ規制枠組条約は第13条でたばこの規制を禁止し、先進諸国では、たばこの宣伝、広告、販売促進、スポンサー行為の規制が進んでいるのに、日本は大きく立ち遅れています。
 そのうえ、日本では「たばこ事業法」があり、同法に「わが国たばこ産業の健全な発展を図る」と書かれていて、財務省がたばこ産業の株を保有しているのです。たばこ産業が財務省の庇護のもとにあり、広告・宣伝の規制が緩いために、日本の喫煙率がはかばかしく低下しないのです。たばこによる人々の健康被害を防止するための運動に携わっている人たちが毎日新聞にたばこ産業のPR 記事が載ったことに怒っているのは、このためです。このことに留意し、たばこ産業のPR関連の記事は今後、一切載せないよう、お取り計らいください。ご参考までに関連の資料をお送りします。
 2018年7月9日                                                                川名英之
【川名英之氏プロフィール】
1935年千葉県生まれ/1959年東京外語大卒、毎日新聞入社/社会部所属、主に環境庁・環境問題を担当/1990年毎日新聞社を定年退職、環境問題の著述に専念する。
【主な著書】『ドキュメント クロム公害事件』(緑風出版)/『ドキュメント日本の公害』(全13巻、緑風出版)/『検証・ダイオキシン汚染』(緑風出版)/『こうして…森と緑は守られた! 自然保護と環境の国ドイツ』(三修社)/『「地球環境」破局』(紀伊国屋書店) 他公害・環境問題著書多数執筆。

歌丸さんの死に思う

 落語家の桂歌丸さんが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)で亡くなりました。享年81歳とのこと。自らの病気すらも笑いにかえ、最後まで高座への意欲を見せていましたが、「タバコ病」には勝てませんでした。
 歌丸さんには二人の恩人が居ました。一人は桂米丸さん。そしてもう一人は立川談志さんでした。米丸さんは兄弟子にして後の師匠。そして談志さんは歌丸さんを「笑点」のレギュラーメンバーに引き上げてくれた大恩人でした。米丸さんには新作落語ではかなわない、談志さんには古典ではかなわない、同じことをやってもこの二人にはかなわないということで、歌丸さんは晩年、三遊亭円朝作の怪談話などに挑戦したのだと思います。
 歌丸さんは、中学3年で落語家になりましたが、若いころから病弱で、数多くの病を患い、付いたあだ名が「病気のデパート」でした。笑点の大喜利では「半分棺桶」とか「生きたミイラ」などと体形や病気をダシにイジられたのも懐かしい思い出でした。その歌丸さんが、長年喫煙していたのですから「ミイラ」と呼ばれたのも無理はなかったという気がしています。
 歌丸さんは数年前、長年吸っていたタバコもドクター・ストップで禁煙して、ファイザー製薬の「COPD大使」にも就任し、禁煙活動に貢献していましたが、‶やめ方〟が遅かったのが残念でした。新聞・テレビは歌丸さんの「死」について大きく報道しましたが、COPDで亡くなったことは報道しても、そのCOCDの最も大きな原因がタバコだったことについては、ほとんどのメディアは触れておらず、JTも胸をなで下しているのではないかと思います。
 歌丸さんのCOPD死について、メディアはもっとタバコとの関連をきちんと報道して欲しいとつくづく思います。
 7月23日に81歳となる私、歌丸師匠のご冥福を祈ります。合掌。
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる