~ケムケムいやいや~
「そよ風さんが気にしてる 空気の入れ替えしたいのに ぷかぷか煙が邪魔してる ケムケムいやいやあっち行け おととい生まれた鳥たちの かわいい赤ちゃん食事中」--―これは、長年禁煙運動を展開しておられる友人、渡辺文学さんが発行されている「禁煙ジャーナル」に出ていたものです。タバコの煙から身を守る「嫌煙権運動」が今年で40年になったそうです。禁煙ジャーナル紙の発行に生命を注がれている渡辺さんは、運動を始められる前は、1日60本以上も吸われるヘビースモーカーだったというから驚きです。
古い古い話で恐縮ですが、「近藤さん、ひかり号に一両だけでいいから禁煙車両を設けたいんですよ…。」という話をして下さったのが、つい昨日のようです。今でこそ新幹線は全車両禁煙ですが、渡辺さん達の長年の運動が実を結んだものです。
現在でも街を歩いていると嫌でも目に付くのが、ポイ捨てしてある吸い殻です。自治体の条例等の整備により減ってはいるものの、まだまだ目立つのが現状です。
また、「副流煙」も大きな問題です。副流煙は、主流煙に比べてニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれているそうです。受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中,心筋梗塞、呼吸器疾患などの様々な病気のリスクが高くなるそうです。喫煙者の方は、まわりの人達に迷惑がかからぬ心配りが必要ですね。
過日、渡辺さんのお招きで氏のパーテイーに参加させて頂きました。その中に、食の大家で発酵学の第一人者として名高い小泉武夫さんがいらっしゃいました。小泉さんも『STOP受動喫煙新聞』で渡辺さんと対談をされるなど、禁煙運動に特に力を注いでおられます。
2020年はいよいよ東京オリンピックが開催されます。中国やロシアでも、オリンピックを開いた時には罰則付きの受動喫煙対策を設けたようです。2013年に開催都市として東京が選出されてから5年、ようやく東京都独自の「受動喫煙防止条例」が成立し、次いで国会でも「健康増進法改正案」が成立しましたが、これはかなり甘い規制内容で、先進国としてとても恥ずかしいことではないでしょうか。これを機に禁煙化の勢いが加速していくことを願ってやみません。
【東京ロータリークラブ発行「手に手つないで」2018(季報) No.285より】
≪近藤昌平氏プロフィール=1942年、愛知県生まれ/㈱銀座テレビ会長。異業種交流会「VAV倶楽部」会長/和菓子屋の三代目として生まれるも、1966年に洋菓子専門店「ボンボヌール」へと転業。ユニークな発想とアイデアから生まれるケーキは、宮家・ホテル・結婚式場・経済界・マスコミ等各方面より絶大な信頼と支持を得る。1972年、日本洋菓子コンクールで高松宮総裁賞。2002年、還暦を迎えると同時に事業から身を引く/著書に『お礼とサービス、「やり過ぎ」くらいがちょうどいい』(PHP研究所)、『人様に可愛がられる人になりなさい』(ダイヤモンド社)、『あらためていま母を想う』(かんき出版)などがある≫
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