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山崎正和氏(劇作家・評論家)の論文に異議あり!

6月7日の毎日新聞で「疫病と人間」と題して、劇作家の山崎正和氏が寄稿しています。紙面は全6段の大きな記事で、リード文は「新型コロナウイルス禍は政治の哲学を再考する好機なのではないか――。劇作家・評論家の山崎正和氏(86)が、これからの政治家のあり方を考察する」でした。
 同氏は、1998年、「21世紀のたばこ対策検討会」の委員として参加し、たばこ擁護の立場から、色々と難癖をつけて、たばこ規制推進にブレーキをかけた人物でもありました。
今回の論文では、ドイツのメルケル首相と安倍首相を高く評価し、以下のようなたわごとを書いています。
―「顔」を見せる尊さ:今回、メルケル、安倍の両首脳が示したのは、官僚の実務行政にはまねのできない芸当である。二人とも首相官邸に居続け、法案や宣言に署名をおこない、専門家の見識を全面的に借りながらも、しかし、みずからの声と言葉で語り、万一の場合には責任を取るのは自分だという立場を貫いた。(中略)このことが貴重なのは、じつは専門家主導の政治には今回と違う表れ方もあって、それは不健全だと思われるからである。実例はほかならぬあの喫煙禁止の政策(「21世紀のたばこ対策検討会」をさす)であって、医学者の主導で成功裏に進められたものの、その間、医学者その人はもちろん、責任を取る政治家の「顔」はいっさい見られなかった。国会討論もおこなわれず、専門家と行政当局のあいだで一つの文化は粛々と抹殺されたのだった―
いかがですか。ニコチンの影響で、「脳」の細胞が相当いかれている発言ではないでしょうか。メルケル首相の評価はまあ認めることとして、これまで何回か行われた記者会見などで、常に官僚が書いた原稿やプロンプターを読むだけの安倍首相に対し「みずからの声と言葉で語り」という山崎氏のコメントには呆れて物が言えません。さらに、たばこ規制対策について、真剣に取り組んできた医学者・専門家の努力を全く無視した記述については、怒りを覚えます。
「たばこは文化」という表現は、喫煙の有害性や危険性がほとんど表面化していなかった明治・大正・昭和時代の「たわごと」である。平成・令和になってからは、WHOや各国政府・医学団体・市民団体の懸命な取り組みによって、喫煙・受動喫煙の有害性が確認され、ようやく日本でも「改正健康増進法」や「東京都受動喫煙防止条例」が制定されて、本格的なタバコ規制が行われようとしている中で、このような時代の流れに逆行する言動を黙認するわけにはいかない。
山崎氏は「たばこは悪しき文化」だったことを素直に認め、「一つの文化が抹殺された」などというたわごとを直ちに撤回すべきではないか。
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