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映画『ダーク・ウオーターズ』を観て

 環境汚染問題をめぐって1人の弁護士が十数年にもわたり巨大企業との闘いを繰り広げた実話を、環境保護の活動家という一面も持つマーク・ラファロの主演・プロデュース、「キャロル」のトッド・ヘインズ監督のメガホンで映画化。
 1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが受けた思いがけない調査依頼。それはウェストバージニア州の農場が、大手化学メーカー・デュポン社の工場からの廃棄物によって土地が汚され、190頭もの牛が病死したというものだった。ロブの調査により、デュポン社が発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流し続けた疑いが判明する。ロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏み切るが、巨大企業を相手にする法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていく。ロブの妻役をアン・ハサウェイが演じた。

【文学コメント】
 公害・環境問題に関心を寄せる多くの人に観てほしい映画である。 デュポン社を、チッソや石原産業、東電に置き替えると、まさにその問題の根深さや、解決への困難さが身近な問題として迫ってくる。
 本来、企業弁護士だったロブ・ビロットが、祖母の知人で大農場の経営者だった人物の訴えを受け入れて、大企業デュポンを相手に裁判に踏み切り、ロブの弁護士事務所も、この裁判闘争を支援していくこととなる。しかし、その過程で、妻との葛藤や子供達との一家団欒を犠牲にして、この訴訟に取り組むロブの苦闘は、多少なりとも日本の公害・環境問題に関わった人であれば、十分理解できるはずだ。 このデュポンとの戦いは現在も続いており、ロブの闘いを遠く日本からも支援したいと思う。(渡辺文学)
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